今年ももう終わりとなりました。今年は何といっても流行語が多過ぎて、「じぇじぇじぇ」「今でしょ」「倍返し」「お・も・て・な・し」の過去最高の4つが選ばれたことが特徴と言えます。4つとも有力で甲乙つけがたく、どれが選ばれるかを予想するのが巷の話題でしたから、結局全部選ばれてしまったので少々ガッカリな結果となってしまいました。しかし、過去には3つ選ばれたこともあったので、うまい決着のつけ方かもしれません。

 さて、私が携わっている弁理士試験の受験業界で、今年大きな話題となったものは2つほどあります。
 前半で注目されたのは、5月に行われた一次試験の短答試験の合格率が激減したことです。前年が1374人だったのに対して今年はわずか434人で、1000人近くも減少し合格率も26.1%から9.2%にまで落ち込みました。今年から短答試験の最低合格ラインが60%から65%に引き上げられたということもありますが、かなりの受験生が一次試験で躓く結果となってしまいました。免除期間を徒過して短答試験が復活していた受験生も結構ここで引っかかってしまった人がいたようです。
 その割に、その後の論文試験では合格者数は減ったものの従来とそれほど変わらない合格率であり、口述試験に至っては63.4%から81.7%とそれまで低下傾向だった合格率から急激に回復しており、最終的な合格率は例年とほぼ同じの10.5%と、短答試験の合格率よりも高くなってしまいました。現在、試験制度改革で免除制度の廃止などが検討されていることから、滞留していた受験生を吐き出して整理しようとしているのではないかとか、滞留していた昨年の口述不合格者約300人が今年は100人程度にまで減ったので口述試験の運営を楽にしようとしているとか、口述試験の合格率が60%台というのは他の試験種と比較しても異常な状態であったのでその批判を避けるためとか、様々な憶測が流れており、来年の試験がどのようになるのか受験生は不安に感じているようです。

 後半の話題は、何と言っても10月に行われた口述試験において、金属探知機が導入されたことでしょう。
 かつて大学入試の最中にネットの質問コーナーに試験問題をアップして問題となったことがありましたが、弁理士の口述試験でも不正を防ぐために、会場に集合した受験生には、試験中携帯電話を一時預けることが求められています。
 しかし、昨年の試験においてダミーの携帯電話を提出して、トイレから別の端末を用いてその日に出題されたテーマを外部に送信した不届き者がいたようで、その日の試験時間中にあるサイトに出題テーマの速報が掲載されたようです。
 同じ日に行われる質疑応答の出題テーマは共通しているので、自分の口頭試問が終わっても集合した全員の試問が終わるまで外には出ることができませんから、試験時間中に外部に漏れるのはトイレ以外にないということで、今年からトイレに行くに際しては金属探知機で携帯電話等を持っていないか検査されるようになったそうです。
 ここまで来たか、という残念なニュースでした。

(RC 平山 太郎)