archive 2016.09.28

知的財産法制国際セミナー

米国における商標の飽和と枯渇

日程  2016年9月28日(月) 18時30分~20時30分
会場  早稲田大学 18号館(国際会議場)3階 第二会議室
               (会場にご注意ください)
講師  Jeanne Fromer ニューヨーク大学ロースクール教授
(逐次通訳付き)
司会とコメンテーター 今村哲也 明治大学情報コミュニケーション学部准教授
主催  早稲田大学知的財産法制研究所
参加費  無料

講演の概要

 本セミナーでは、米国における文字商標の飽和と、言葉の枯渇に関するFromer教授らのグループによる最新の実証研究の紹介、そして日本の視点からの考察、疑問の提示を行う。

 商標法は、商標となりうるものが無尽蔵に存在することを前提に運用されてきた。特に、文字商標については、伝統的見解のもとでは、新たな言葉は簡単に作り出すことができ、こうした新しい言葉は、際限なく生み出されうるとされてきた。

 Fromer教授らのグループは、この前提を根本から覆す実証研究を行っている。米国特許商標庁が最近公表した、1870年から2014年までの間に同庁に出願された約740万件の商標出願に関わる情報をもとに行われた。これにより、英語の言葉のうち既登録のものが非常に高い割合を占め、登録商標と同一又は類似でない造語の可能性が極めて限定的であり、そしてよく使われる氏名のうち既登録のものが極めて高い割合を占めることが明らかにされた。商標の飽和と枯渇に関わる商標法政策についても検討が行われている。加えて、米国における色彩商標の飽和に関わる予備データも示される予定である。

 日本の特許庁への出願について、言葉の飽和と枯渇といった観点からの実証研究は存在しないものの、2015年に商標の保護対象が拡大して以来、色彩等の枯渇の懸念については、日本においても提起される問題である。Fromer教授による報告に対し、今村准教授がコメントすると同時に、日本の視点から疑問点を提起する。