私が東洋大学に着任したのが2014年4月なので、この3月で丸7年になる。これまでの宮仕えの最長記録が3年なので(転職4回!)、我ながらよく続いているなと感心している。2014年7月の本コラムに着任時の様子が掲載されているが、あれから7年経ったと思うと感慨深いものがある。さて、着任早々、当時の学部長に言われたことがある。それは知的財産管理技能検定3級の現役合格者数で大学ランキング1位を目指してくれというものだ。その時、知的財産管理技能検定をよく知らなかった私は「は、はい・・・」という生返事をしたことを覚えている。

すぐにネットで知的財産管理技能検定を調べて見ると、国家試験であり、毎年受検者数が右肩上がりで伸びている人気の検定であることが分かった。大学生が受検できるのは3級と2級で、1級は実務経験が必要だ。ということで、まず3級の試験対策講座を開講することにした。対象は大学3年生と4年生、2単位の選択科目として、2015年の春学期に開講した。国家試験という言葉につられたのか、100名くらいが履修登録してくれた。

この授業は試験対策講座なので、合格者を一人でも多く出すことが目的だ。なので、毎回答練形式の授業を行った。具体的には、過去問20問を授業の冒頭20分で解いてもらい、その後の70分で解説するというものである。まさに予備校のような授業だ。これが当たった。最初は「いきなり問題を配られてもできません」とクレームする学生もいたが、解けるようになると、とたんに答練が面白くなる。東洋大学の学生は総じて私語が多いのだが、この授業に限っては無言で問題を解き、解説を真剣に聞く。授業が終わると、自習用の問題20問を配布し、自宅で復習してもらう。

学生の頑張りのおかげで、大学ランキング1位の常連となった。過去10回のランキングを見ると、1位が6回、2位が2回、3位が1回、5位が1回である。また、2017年から2級の試験対策講座も開講しており、こちらはずっと大学ランキング1位を死守している。大学の支援も充実しており、3級の受検料の一部を補助したり、2級の合格者に対する表彰制度もある。何よりうれしいのが、この授業をきっかけに知的財産法に興味を持つ学生が増えたことである。

私も学生の真剣に試験勉強に取り組む姿に触発されて、2016年に通訳ガイド(正式名称は通訳案内士)の資格を取得した。また、2020年には国内旅行業務取扱管理者と総合旅行業務取扱管理者の資格を取得した。これで老後は、地方の観光案内所で外国人を案内しながら、のんびりと暮らすことができる。この歳になると、学ぶ喜びを忘れてしまうが、合格者リストに自分の受験番号を見つけた時の感動は、いくつになっても変わらない。これからも学生に負けないように、いろいろな試験に挑戦しようと思う今日この頃である。

〈安藤和宏(RC)〉