おはようございます。
 
 本日はみなさんと、(リアルに)30日が期限である意匠出願を一緒にやってみようと思います。本日は(ガチで)もう27日です。がんばって間に合わせましょう。
 
 今回は女性モノの革製品です。出願では図面などで意匠を表現しますが、あまりチープな感じになってもいけません。きちんと素材感が見えるようにしたいところです。CGでも良いのですが、少し特殊な革が使われていて描くのが大変なので、今回はお手軽に写真を使います。
 
 予めカット数と各カットのだいたいの構図を決めて依頼をしておいたのが、こちらのカメラマンです。大学の後輩なので先輩風を吹かせて事務所に呼びつけます。近くに停めた車から汗を掻き掻き機材を搬入しています。カメラマンは力仕事だそうです。良く持ってきたなと思うような大きなストロボやレフ板を複数組み立てて、特許事務所の中に簡単なスタジオを作り終えると、撮影開始です。
 
 まず、そのモノの使い方やアピールしたいポイントなどを考えながら、正面を決めましょう。漫然と決めてはいけません。縦にして使うモノなら正面は縦位置に、横にして使うモノなら横位置にするのが素直ですね。そうすると、自ずと他の6面図の方向も決まります。
 
 素材に光沢がある場合は、カメラやその他の機材がモノの表面に写り込みます。写り込んでしまっても、あとから加工できますからあまり神経質になる必要はありません。ただ、手間は手間ですから、なるべく写り込まない角度を見付けるようカメラマンと相談します。照明の当て方次第で光があたって色が飛んでいるところ、つまりハイライトができます。飛ばし過ぎると輪郭が分からなくなってしまいますが、今日撮影するエナメル革の製品などは敢えて多少はハイライトを作らないと雰囲気が出ないので、試しに何枚か撮影してみて良い塩梅を探りましょう。そこはもうお好みでの調整です。
 
 本日撮影するのは3アイテムです。一応念のため1カットずつ問題がないかを確認しながら進めていきます。2時から撮影を開始しましたが、只今4時。全21カットの予定で、まだ4カット目です。お互い凝り出すと凝るので、いったいいつ終わるのでしょうか。あとで寿司の折り詰めでも買って来ましょう。
 
 今回の製品は使い方に特徴があります。写真で説明しておきたいのですが、わざわざ撮影を依頼するとコストも時間もかかるので考えどころです。ただ、たまたま今回は、いずれも既に販売されていて出願人のホームページにモデルが実際に使用している写真がたくさん載っています。これを使いましょう。あとで揉めるとイヤなので一応著作権的なものの所在を確認した上で、今のうちにちょうど良い感じのものをダウンロードして、モデルの肖像が入り込まないようにトリミングしておきます。ちなみに、どうしても人物を使用したい場合には、もともとの写真を、家族を使った写真に差し替える加工をしたりもします。私の娘は小さい頃良くクライアントの公報に掲載されていました。
 
 さて、撮影完了です。データを受け取って、必要な加工を少々施せば、あとは予め用意しておいたホームページの写真と合わせて願書に貼り付けて完成です。
 
 すっかり深夜ですが、これで期限に間に合いましたね。それではみなさんごきげんよう。
 

〈 五味飛鳥(RC)〉