早稲田大学法学部および知的財産法制研究所(RCLIP)は、コロンビア大学ロースクールおよび香港大学との共催により、US-Asia国際著作権シンポジウムを開催することになりました。
 近時、生成系AIの急速な発展を受けて、著作権問題も大きな話題になっています。特に、AI生成物は著作権保護を受けるか、あるいは、AIによる学習・生成が著作権侵害に当たらないか、といった点が問題となり、国際的にも盛んな議論が展開されています。
 AI生成物について、アメリカ著作権局は、近時、“A Recent Entrance to Paradise”およよび”Zarya of the Dawn”について、自然人の創作物に当たらないことを理由に登録を否定した上で、2023年3月16日に、AI生成物に関するガイダンスを発表し、大きな関心を集めています。他方、香港では、イギリス法にならって、コンピュータ生成物に作成後50年間の著作権保護を付与しており(11条3項、17条6項等)、その実態が注目されるところです。
 AIによる学習について、日本には、これを非享受利用として広く許容する権利制限規定(30条の4)がありますが、シンガポールにも、2021年に情報解析に関する権利制限規定が導入されました(243条・244条)。アメリカには情報解析に関する明文の規定はありませんが、それがフェアユースとして許容されるかどうかが訴訟の場でも問題になっています。
 本シンポジウムは、日本を含むアジア諸国とアメリカの専門家や政府関係者に加えて、ステークホルダーも参集して、この問題を多角的に論じようとするものです。
 
日 時  2023年6月10日(土)13:15~18:25(★変更されました)
会 場  早稲田大学 小野記念講堂(27号館地下2階)
     (会場&Zoomハイブリッド開催)        
テーマ    人工知能と著作権法

プログラム

 開会挨拶:弦間正彦(早稲田大学教授・理事〔国際部門総括〕)

13:20-14:40
Panel 1
  AI生成物/AIを用いた作品の著作権保護
 司会:Jane Ginsburg(コロンビア大学ロースクール教授)

  • Shira Perlmutter(米国著作権局長)
  • Sandra Hui(香港特別行政区政府知的財産局助理署長)
  • Gudibanda Ramarao Raghavender(前インド著作権局長)
  • 杉浦正樹(東京地裁部総括判事)

(14:40-15:00 Coffee Break)

15:00-16:20
Panel 2
  AIによる著作権侵害
 司会:
上野達弘(早稲田大学教授)

(16:20-16:40 Coffee Break)

16:40-18:20
Panel 3  ステークホルダーの視点と経験
 司会:Shyam Balganesh(コロンビア大学ロースクール教授)

閉会挨拶:高林龍(早稲田大学名誉教授・RCLIP顧問、弁護士)

言 語  英日同時通訳
参加費  無料(要登録)※下記参照
共 催  早稲田大学法学部、知的財産法制研究所(RCLIP)、コロンビア大学ロースクール、Columbia Kernochan Center、香港大学
 
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