知的財産シンポジウム

文と理の狭間からの飛翔 -デザインの本質と法的保護の未来を探る-

【日時】2010年3月28日 13:00~17:00

【場所】早稲田大学国際会議場井深大記念ホール

【概要】  わが国の意匠制度は、今大きな曲がり角に立っています。高度成長の絶頂期にあった’80年代初頭には年間6万件ほどにも達した意匠出願が、その後漸次減少し昨年は3万件ほどとなりました。ここ30年ほどで出願数が半減したことになります。近時の不況の他、競争秩序が成熟した結果、また、商品形態に対する他法の保護が手厚くなった結果、元来意匠制度が負担してきた模倣品対策の役割が希薄になっていることに、利用度が低下している主たる原因があると推測されます。  このような状況は、あるいは「従来のパラダイム下では最早意匠制度を利用する意義は小さい」ことを意味しているのかもしれません。また、そもそもデザインは文科的性質と理科的性質を併せ持つ創作であることから、その法的保護を巡る議論はいずれの性質を強調するかに拠り大きく偏る傾向があり、このことが、意匠法の設計ないし解釈に大きな困難さを与え、制度の積極的活用に対する国民のモチベーションを失わせてきた側面があることも否定できません。  しかしながら、その一方で、デザインという資産がわが国の産業を活性化させ、また、われわれ国民の生活を豊かにするための重要なファクターの一つであることを、おそらく誰も否定しないでしょう。そうであるならば、我々は、その資産をどのように保護すれば、これを増殖させ且つ強化するのに最も有効であるのかを、より真剣に考え始める必要があります。  今回のシンポジウムは、われわれ早稲田大学重点領域研究機構・知的財産拠点形成研究所が目指す文理融合型研究の対象として、いわば「文と理」の狭間に陥った知的財産であるデザインに着目し、わが国の最も著名なデザイナーのお一人である川崎和男大阪大学教授をお迎えして意匠法が保護しようとしている「デザイン」とは本来どのようなものかを明らかにするとともに、学者・行政官・実務家を代表する方々に登壇して頂くパネルディスカッションにおいて意匠法という伝統的な制度を現代のわが国産業に十分に適応させるにはどのような変革が行われるべきか、我々が持つべき視点はなんであるかを探り、意匠法を「文と理」の狭間から飛翔させるための起点となることを目指します。

【総合司会】
高林 龍(早稲田大学法学学術院教授)
【プログラム】
13:00 ~14:30 第一部  基調講演:川崎和男(大阪大学教授)  コメント:高林 龍(早稲田大学教授)
 
14:40 ~17:00 第二部  司会:大渕哲也(東京大学教授)
 パネリスト:  田村善之(北海道大学大学院法学研究科教授)  川崎芳孝(特許庁意匠課課長)  峯 唯夫(弁理士)  五味飛鳥(弁理士)
 
17:30~ 懇親会(大隈会館301-302)会費4000円

【主催】 早稲田大学知的財産拠点形成研究所(IIIPS Forum)

【共催】 早稲田大学グローバルCOE≪企業法制と法創造≫総合研究所 知的財産法制研究センター