2011年度JASRAC秋学期連続公開講座 [第3回]
【日時】2011年11月19日 13:30~18:00

【場所】早稲田大学早稲田キャンパス 8号館106教室

【開会の辞】 高林 龍(早稲田大学法学学術院教授)

第1部(13:30~15:30)

【テーマ】職務発明と職務著作:第三の制度との遭遇

【概 要】 ドイツ特許庁が特許を付与する発明の90%以上は、個人発明家や自営業者ではなく、企業の従業者によるものであるため、ドイツにおいて、職務発明は長い歴史を持つ。1877年に最初のドイツ特許法が施行された時点で、既に、学者や企業の特許関係者は、職務発明制度のありかたについて様々なアプローチを検討し、法的安定性を求めて特別な規定を設けるよう議会に求めていた。その結果、ドイツの特許法は、従業者発明法(Arbeitnehmererfindungsgesetz)という特別法によって従業者に発明のインセンティブを与えることにした。一方、著作権法においては、欧州主要国の強い著作者人格権保護の伝統を持ち、ソフトウェアが著作権保護の対象となり、その技術保護の重要性が増大してきたことにより、職務著作についても同様な制度の必要性が高まってきていたにも拘わらず、職務発明とは異なった状況にある。このような状況を踏まえて、本セミナーでは、ドイツ知的財産権法の第一人者であるChristoph Ann教授を招き、ドイツ職務発明法の理論的基礎に解説し、なぜ著作権法においては、職務著作について異なる取り扱いとなっているのか検討する基調講演をして頂く。その後、日米の専門家を交えたパネルディスカッションで、ソフトウェアの著作権及び特許を受ける権利の帰属及び補償金請求権を中心に比較法的に考察し、知的財産管理実務への影響を議論する。

【講演者】 Prof. Dr. Christoph Ann(ミュンヘン工科大学教授)

【司 会】 竹中俊子(ワシントン大学ロースクール教授)

【コメント】 竹中俊子(ワシントン大学ロースクール教授)

      安藤和宏(早稲田大学IIIPS-Forum客員上級研究員)

     中山一郎(国學院大学教授)

【共 催】 東京医科歯科大学 産学連携推進本部

第2部 (16:00~18:00)

【テーマ】 ドイツにおける著作権契約法 -相当な報酬の請求権-

【概 要】 わが国著作権法には契約法に関する規定がほとんどない。そのためわが国でも近時、著作権契約法に関する立法的関心が高まっている。他方、ヨーロッパの著作権法には契約法に関する規定が広く見受けられる。とりわけドイツ著作権法はここ10年ほどの間に従来の契約法規定を大きく改訂して注目を集めている。その内容と議論はわが国にとっても大変示唆に富むものである。 そこで今回は、ドイツ著作権法の代表的な注釈書として1966年以来改版を重ねているFromm=Nordemannコンメンタールにおいて、著作権契約法に関する諸規定の注釈を担当されているJan Bernd Nordemann教授をお迎えし、ドイツにおける著作権契約法について、最近の判例を含めてご紹介いただくとともに、日本法やアメリカ法の観点から考察を加えて、その意義や日本法の将来像について検討する。

【講演者】 Prof. Dr. Jan Bernd Nordemann(フンボルト大学教授、弁護士[BOEHMERT & BOEHMERT法律事務所])

【司会】 上野達弘(立教大学教授)

【コメント】 上野達弘(立教大学教授)

     安藤和宏(早稲田大学IIIPS-Forum客員上級研究員)

     松田政行(弁護士)

【閉会の辞】

飯田香緒里(東京医科歯科大学 研究・産学連携推進機構 産学連携研究センター長 准教授)

【懇親会】(18:30~) 会費4,000円 会場:大隈ガーデンハウス

(同時通訳有(日本語・英語))