RCLIP 特別研究会 <安藤和宏博士・張睿暎博士 学位取得記念博士論文報告会 |
【日時】2012年5月19日 16:00~18:00
【場所】早稲田大学早稲田キャンパス 8号館B-101教室 ※変更になりました 【司会】 高林龍(早稲田大学法学学術院教授) <報告(1)> 「著作隣接権制度におけるレコード保護の研究」 本報告では、本年2月29日に早稲田大学から博士号の授与を受けた論文「著作隣接権制度におけるレコード保護の研究」の概要とその意義を解説する。本論文は、日本でこれまであまり論じられてこなかったレコード製作者の意義、レコードの保護範囲、模倣録音物と不法行為の関係について、イギリス法とアメリカ法を比較法にして論じたものである。本報告では、デジタル化・ネットワーク化時代において、文化の発展に寄与するという著作権法の目的に鑑みて、権利者の保護と利用者の自由というトレード・オフの関係にある2つの利益の均衡を達成するために、レコード製作者の権利はどのようにあるべきかという問題について考えてみたい。 【報告者】 安藤和宏(早稲田大学IIIPS-Forum客員上級研究員) 【論評】 前田哲男(弁護士・早稲田大学法務研究科客員教授) 木棚照一(早稲田大学名誉教授) <報告(2)> 「著作物利用者の権利論」 著作物の経済的な価値が高まるにつれ、「著作者等の権利の保護」が「文化的所産の公正な利用」に優先されることによる著作物利用者の自由の萎縮現状が目立っている。本稿では、これらの現状を著作権法の目的と関連付けて批判し、その原因を歴史・社会・政治・経済的観点から明らかにし、解決策として、著作権法を「基本権アプローチ」で解こうとする。著作者の権利も著作物利用者の権利も共に憲法上の基本権から由来するものであると構成し、変化する社会環境の中で益々重要性を増している著作物利用者を保護し、著作物の公正な利用促進による文化の発展を図る。また、著作物利用の際に生じる紛争において、両者の利益衡量のための具体的な考慮要素も提示する。 【報告者】 張睿暎(東京都市大学准教授) 【論評】 上野達弘(立教大学法学部教授) 木棚照一(早稲田大学名誉教授)
研究会終了後、18:30からレストラン「西北の風」にて祝賀会。 (祝賀会会費5000円、研究会のみの参加は無料。) |