archive 2012.10.06

2012年度JASRAC秋学期連続公開講座(第1回)
【日時】2012年10月6日 13:30~17:45

【場所】早稲田大学早稲田キャンパス 8号館B101教室

第1部 13時30分~15時30分 【テーマ】クラウド時代における公衆送信権の国際的検討

【概要】クラウド技術の発展を受けて、インターネット上の公衆送信権や送信可能化権をめぐる問題が重要性を増している。わが国でも、テレビ番組の視聴を可能にするサービスが問題となったまねきTV事件や、音楽ファイルのオンラインストレージサービスが問題となったMYUTA事件等をめぐって盛んに議論されているが、諸外国においても、同様のサービスをめぐってさまざまな議論が行われている。  もちろん、インターネット送信に関しては、すでにWIPO著作権条約(1996年)が一定の調和を実現しているが、各国法に定められた権利を見ると、その具体的内容は必ずしも一致しないようである。  そのような中、わが国著作権法上の公衆送信権というものは、国際的に見てどのような特徴を持っているのだろうか。そして、そのことは公衆送信権をめぐる問題の結論に違いを生じさせないのだろうか。  本シンポジウムは、わが国著作権法上の公衆送信権について、ヨーロッパやアメリカとの比較から、その国際的な位置づけを明らかにした上で、クラウド時代における公衆送信権のあり方について検討するものである。

【司 会】上野達弘(立教大学教授)

【講演者】茶園成樹(大阪大学教授)

      奥邨弘司(神奈川大学准教授)

第2部 15時45分~17時45分 【テーマ】企業内などにおける著作物の”ちょっとした”利用が許される範囲

【概要】企業のコンプライアンス意識の高まりから、企業内などにおける文献、web掲載資料などの”ちょっとした”業務上の利用が許容される余地はあるのか、あるとしてどこまで許されるのかについて、関心が高まっている。従前、著作権法30条(私的複製)の規定は、企業内複製や業務複製に適用がないと理解されてきたが、同条をある程度柔軟に解釈しようとする考え方も生まれてきている。このような論点について、具体的な例を挙げつつ、2012年著作権法改正も視野に入れて、講師2名と司会者の3名による自由な議論を展開することにしたい。

【司会】 前田哲男(弁護士)

【講演者】宮下佳之(弁護士)

       齋藤浩貴(弁護士)