2012年度JASRAC秋学期連続公開講座 (第5回)
【日時】2012年12月8日 13:30~15:45

【場所】早稲田大学早稲田キャンパス 8号館B101教室

【テーマ】 「オンライン著作権侵害:アメリカ著作権法の下でのISPの責任」

【基調講演】(日英同時通訳有り)

M. Margaret McKeown (米国第9巡回区控訴裁判所判事)

【司会】 竹中俊子(ワシントン大学教授)

【概要】 米国では、著作権者がネット企業等に対し著作権侵害に係るサイトとの取引停止やアクセス遮断を求める権限を拡大するオンライン海賊行為防止法(Stop Online Piracy Act: SOPA)の是非をめぐって、映画音楽等のコンテ ンツ業界とグーグルやフェースブック等のネット業界との間で大きな議論がまきおこっている。SOPAで議論される著作権の間接侵害は1984年のSony判決によって判例法理が確立され、判例法によって、侵害が認められる 範囲が拡大されてきた。SOPA成立後は著作権法の調和の観点から著作権法の改正の是非をめぐり日本でも同様の議論が起こることが想定される。本講演では、現在のSOPAをめぐる議論を正しく理解するため、ロースクールでも著作権法の教鞭をとられるMargaret McKeown判事を招聘し、米国著作権法における間接侵害の基本判例及び最近の判例の動向を報告して頂き、SOPAを巡る各業界及び学者の見解を紹介して頂く。

【パネルディスカッション】 「ゲームの著作権を巡る諸問題」

【パネルディスカッション司会】 安藤和宏(IIIPS-Forum上級研究員)

【ディスカッサント】 代市崇(バンダイナムコゲームス)

            保田祐子(カプコン) 光田康典(プロキオン・スタジオ)

            柴田真人 (プロデューサー)

【概要】 パネルディスカッションでは、ゲーム会社の法務部門の実務家とクリエイターを招いて、制作現場や法務部門が直面している著作権問題やその対応策について議論する。具体的には、釣りゲータウン2事件(GREE vs. DeNA)やファイヤーエンブレム事件等を取り上げて、ゲームソフトにおけるアイデアと表現の境界線はどのあたりにあるのか、また発売元が変更する続編ゲームの場合、どのような問題点があるのか等について協議したい。さらにクリエイターは既存の著作物に類似しないようにどのような苦労をしているのか、法務部はクリエイターにどのようなアドバイスをしているのか、といった実務上の課題についても議論する予定である。